Stripe Billing の税金の自動計算では、顧客の所在地に基づいて正しい税率を判断します。顧客の住所、決済手段の住所、またはデフォルトの決済手段が変更された場合や未入力の場合、有効な税率を Stripe Tax で判断できないことがあります。
Stripe Tax で税率を判断できな場合、この問題を解決するまでサブスクリプションの請求書が「下書き」ステータスのままになります。この場合、サブスクリプションは有効なままなのに支払いが回収されないという状況が発生し、支払いを受けずにサービスを提供することになってしまいます。
初回のサブスクリプション請求書が確定できなかった場合、Webhook とメールでお客様に通知していました。同様の問題が今後発生しないようにするため、2024 年 11 月 25 日付でプロダクト動作を改善し、自動的な安全策を導入します。
未払いの請求書の特定とエクスポート
以下の手順に従って、1) 確定できなかったサブスクリプションと請求書を特定し、2) 確定できなかった理由を判断して、3) この情報を CSV ファイルとしてエクスポートしてください。Stripe ダッシュボードまたは Invoicing API を使用することができます。
顧客の納税場所が無効なために確定できなかった請求書を特定する
- この事前に設定されたフィルターのリンクをして、関連する請求書に移動することができます。結果は、頻度: サブスクリプションの請求書、税金の自動計算: 有効で絞り込まれているため、税金の自動計算が有効なサブスクリプションの請求書に注目することができます。
- エクスポートをクリックします。
- Last Finalization Error Code の列と、必要に応じてその他の列を選択します。
- エクスポートします。
- Last Finalization Error Code = customer_tax_location_invalid で結果を絞り込みます。
顧客の納税場所が無効なサブスクリプションを特定する
- この事前に設定されたフィルターのリンクをして、関連するサブスクリプションに移動することができます。結果は、税金の自動計算: 有効で絞り込まれているため、税金の自動計算が有効なサブスクリプションに注目することができます。
- エクスポートをクリックします。
- 列のドロップダウンから「カスタム」を選択し、納税場所: 認識済みと、必要に応じてその他の列を選択します。
- エクスポートします。
- 結果を 納税場所: 認識済み = false で絞り込みます。
以前の下書きステータスの未払い請求書に対してどのような選択肢がありますか?
特定した下書きステータスの請求書に対しては、具体的なエラー (請求書の住所の更新が必要、またはデフォルトの決済手段が未入力) に応じて、2 種類の方法で対処することができます。根本的な問題を特定し、ビジネスのニーズに応じて、以下のいずれかの解決策を選んでください。
解決策 1: 回収を再試行する
税金の自動計算が有効な各請求書について、未入力の詳細を追加することにより、支払いの回収を再試行します。あるいは、請求書を確定する前に、税金の自動計算を無効にします。
以下の手順を進める前に、影響を受ける顧客に対し、そのサービスのサブスクリプションに登録する意思がまだあるのかを確認することをお勧めします。これを怠ると、チャージバックが発生する可能性があります。支払いの回収を試行するには、以下の手順を実行します。
-
自動的に支払われるように請求書が設定されている場合、その顧客に有効な決済手段が存在することを確認します。デフォルトの決済手段が未入力の場合、顧客に連絡して追加してもらいます。
- 自動的に支払われるのではなく、メールを送信するように請求書が設定されている場合は、この手順をスキップします。
- 顧客の所在地を収集するか、課税しないで進めます。
(選択肢 A) 顧客の有効な所在地を収集する: 以下のいずれかを使用して顧客の住所を更新します。
- Customer Update API。
- Stripe ダッシュボード
- 顧客にカスタマーポータルリンクを送信する。顧客が請求書の詳細を更新できるページに直接移動するリンクを提供するには、
/customer/update
をセッション URL の末尾に追加します。URL は https://billing.stripe.com/p/session/<SESSION_ID>/customer/update のようになります。
(選択肢 B) 課税しないで支払いを回収する
- Stripe Tax を無効にします。Update Invoice API またはダッシュボードの請求書エディターを使用して、請求書の税金の自動計算を無効にします。
- 確定して、支払いを行うか、請求書を送付して支払いを回収します。ダッシュボードを利用して請求書を確定し、貴社で採用している回収方法に応じて、請求書を送信するか、支払いを処理してください。あるいは、finalize API を、send API または pay API と組み合わせて使用します。
- サブスクリプションに対する支払いの回収を再開します。
⚠️ 税金の自動計算を行わずに請求書を確定した場合、その請求書に対する税金は計算も徴収もされません。関連する納税義務に対応する必要がありますので、税務アドバイザーに相談してアドバイスを求めることをお勧めします。
解決策 2: サブスクリプションをキャンセルする (支払いの詳細を収集できない場合に推奨)
サービスが提供されていなかった場合や、支払いの回収が見込めない場合は、Stripe アカウントのサブスクリプションに移動して、サブスクリプションをキャンセルしてください。サブスクリプション請求書の下書きは無効化も削除もできないため、これ以上の対応は不要です。
今後の請求書が下書きステータスのままにならないようにするために、Stripe はどのような対応を取っていますか?
顧客の所在地に対する無効な更新が行われないようにする
有効日: 2024 年 11 月 25 日から
顧客が税金の自動計算を有効にしている場合、Customer Update API を利用して住所を更新する際に、無効な所在地に更新することはできなくなりました。住所が無効な場合、この API から HTTP 400 エラーとコード customer_tax_location_invalid
が返されます。従来と同様に、顧客が入力した住所が Stripe Tax の処理を行う上で有効かどうかの確認が、カスタマーポータルで行われます。
無効な所在地が指定された請求書を自動確定する場合は税金の自動計算を無効にする
有効日: 2024 年 11 月 25 日から
サブスクリプションが自動更新される場合、Stripe では、税額を計算して請求書を確定しようとします。顧客の所在地が無効なために税額計算が失敗した場合、その請求書とサブスクリプションでは税金の自動計算は無効になります。
この場合、請求書は、「下書き」ステータスのままになるのではなく、税金の計算も徴収も行わずに確定されます。この変更により、税金の計算ができない場合でも、支払いを回収できるようになります。この変更に関連して、税金の自動計算が無効になったことを示すイベント (invoice.updated
や customer.subscription.updated
など) がお客様に届くようになります。これにより、有効な所在地が未入力の請求書とサブスクリプションに対処し、今後の支払いに向けて税金の自動計算を再び有効にすることができます。この請求書の automatic_tax[disabled_reason]
フィールドは finalization_requires_location_inputs
に設定されます。決済手段が未入力の場合でも、その請求書は確定され、失敗した支払いは Stripe の 再試行と回収の標準プロセスに従って再試行されます。最大再試行回数に達すると、Billing の設定に基づいて、そのサブスクリプションのステータスが past_due
または canceled
に変わります。
この変更は、Stripe API またはダッシュボードを使用して請求書を確定する場合には適用されません。その場合、顧客の所在地が未入力または無効な場合でも税金の自動計算は有効なままとなり、請求書の確定が HTTP 400 エラーで失敗します。
税金の自動計算が無効なサブスクリプションを Stripe ダッシュボードで確認するには、サブスクリプションに移動し、税金の自動計算: 無効のオプションで表示を絞り込んでください。
このようなサブスクリプションについて、税金の自動計算を今後再び有効にするには、有効な顧客の所在地が少なくとも 1 つ指定されていることを確認してください。この確認後、Stripe Tax ダッシュボードで税金の自動計算を有効にすることができます。
過去の請求書に関する仮受消費税
過去の請求書に関する売上税、VAT、GST をさかのぼって有効にすることはできません。税金設定を行う前の売上に適用される税金の納税義務は、事業者が引き続き負うことになります。今後も税法に従うことが必要なので、税務アドバイザーに相談して、過去の取引に関する義務を把握することをお勧めします。他にご不明な点等がございましたら、Stripe サポートチームまでお問い合わせください。